月額料金の日割り計算は、サブスクの解約、月途中の入社・退社、賃貸物件の入居・退去など、ビジネスのさまざまな場面で必要になります。
この記事では、日割り計算の基本的な計算式から、基準日数の選び方、端数処理の違い、税込金額の扱い、月をまたぐケースまで、実務で押さえておくべきポイントを具体例とともに解説します。
日割り計算の基本
日割り計算とは
日割り計算とは、月額料金や月給などの「1ヶ月分の金額」を、実際に利用した日数に応じて按分(あんぶん)する計算方法です。「月割り」が1ヶ月単位で按分するのに対し、「日割り」は1日単位で細かく按分します。
計算式
日割り計算の基本式は以下のとおりです。
日割り金額 = 月額料金 × 利用日数 ÷ 基準日数
- 月額料金:1ヶ月分の料金(税抜が基本)
- 利用日数:実際にサービスを利用した日数(開始日・終了日を含む)
- 基準日数:1ヶ月の日数として使う数字(後述)

基準日数の選び方
日割り計算で最も迷うのが「基準日数」です。大きく2つの方法があります。
1. 実日数(その月の暦日数)
その月の実際の日数(28日・29日・30日・31日)を基準にする方法です。
- 2月:28日(うるう年は29日)
- 4月・6月・9月・11月:30日
- 1月・3月・5月・7月・8月・10月・12月:31日
向いているケース:
- 家賃・賃料
- 給与計算
- 公共料金
月の長さに応じて公平に按分したい場合に適しています。ただし、同じ月額でも月によって1日あたりの単価が変わります。
2. 30日固定
月の長さに関係なく、常に30日で割る方法です。
向いているケース:
- SaaS・サブスクリプション
- 通信料金
- 会費・月謝
月によらず1日あたりの単価が一定になるため、計算がシンプルで、利用者への説明もしやすいメリットがあります。
端数処理の3つの方法
日割り計算では、1円未満の端数が発生することがあります。端数の処理方法には主に3つあります。
1. 切り捨て(Floor)
1円未満の端数をすべて切り捨てる方法です。最も一般的で、利用者(支払う側)に有利な計算方法です。
例: 計算結果が 3,266.67円 → 3,266円
2. 切り上げ(Ceil)
1円未満の端数を切り上げる方法です。事業者(受け取る側)に有利です。
例: 計算結果が 3,266.67円 → 3,267円
3. 四捨五入(Round)
端数が0.5以上なら切り上げ、0.5未満なら切り捨てる方法です。
- 計算結果が 3,266.67円 → 3,267円
- 計算結果が 3,266.33円 → 3,266円
具体的な計算例
例1:SaaSの月途中解約
- 月額料金:9,800円
- 利用期間:4月1日〜4月15日(15日間)
- 基準日数:30日固定
日割り金額 = 9,800 × 15 ÷ 30 = 4,900円
この場合、割り切れるため端数は発生しません。
例2:家賃の月途中入居
- 月額家賃:80,000円
- 入居日:4月16日〜4月30日(15日間)
- 基準日数:実日数(4月は30日)
日割り家賃 = 80,000 × 15 ÷ 30 = 40,000円
例3:給与の月途中入社(端数あり)
- 月給:300,000円
- 勤務期間:2月20日〜2月28日(9日間)
- 基準日数:実日数(2月は28日)
日割り給与 = 300,000 × 9 ÷ 28 = 96,428.57…円
端数処理別の結果:
- 切り捨て:96,428円
- 切り上げ:96,429円
- 四捨五入:96,429円
例4:サブスクの返金計算
返金の有無や計算方法はサービスの利用規約によって異なります。日割り返金を行う場合は、返金額を「月額 − 日割り利用額」で求めます。
例:月額9,800円のサービスを4月10日に解約した場合(利用期間:4/1〜4/10):
日割り利用額 = 9,800 × 10 ÷ 30 = 3,266円(切り捨て) 返金額 = 9,800 − 3,266 = 6,534円
税込金額から日割り計算する場合
請求書で税抜金額と消費税を分けて記載する場合は、税込金額をいったん税抜に戻してから日割り計算し、最後に消費税を加算するのが一般的です。手順は以下のとおりです。
- 税込金額を税抜に変換:
税抜金額 = 税込金額 ÷ 1.1(消費税10%の場合) - 税抜金額で日割り計算を行う
- 日割り後の金額に消費税を加算する
例:税込10,780円のサービスを15日間利用した場合(30日固定)
税抜月額 = 10,780 ÷ 1.1 = 9,800円 日割り金額 = 9,800 × 15 ÷ 30 = 4,900円(税抜) 消費税 = 4,900 × 0.1 = 490円 税込合計 = 4,900 + 490 = 5,390円
税込金額から税抜金額へ戻す際に1円未満の端数が出る場合は、契約や社内ルールに従って処理します。
月をまたぐ場合の計算
利用期間が複数月にまたがる場合は、月ごとに分割して計算する方法がよく使われます。
例:月額5,000円のサービスを3月20日〜4月10日まで利用(実日数基準)
3月分:5,000 × 12日 ÷ 31日 = 1,935円(切り捨て) 4月分:5,000 × 10日 ÷ 30日 = 1,666円(切り捨て) 合計:1,935 + 1,666 = 3,601円
「実日数」基準の場合、月ごとに基準日数が異なるため、このような分割計算が必要です。30日固定基準の場合でも、請求月ごとに内訳を出す場合は月単位で分割して計算します。契約・請求単位に応じて、月ごとに分けるか通算するかを統一しましょう。
日割り計算で請求書を作成するには
日割り計算の結果を取引先に請求する場合、請求書には以下の情報を明記するのがベストプラクティスです。
- 月額料金(税抜)
- 利用期間(開始日〜終了日)
- 利用日数と基準日数
- 端数処理の方法
- 日割り金額(税抜)と消費税
これらを明記することで、取引先からの問い合わせを防ぎ、スムーズな請求処理につながります。
まとめ
日割り計算のポイントをまとめると:
- 計算式:月額 × 利用日数 ÷ 基準日数
- 基準日数:家賃・給与は「実日数」、SaaS・サブスクは「30日固定」が一般的
- 端数処理:契約書の記載に従う。記載がなければ切り捨て
- 税込金額:税抜・消費税を分けて請求する場合は、税抜に戻してから日割り計算する
- 月またぎ:月ごとに分割して計算・合計する
実務で日割り計算が必要な場面では、PASELLYの日割り計算ツールをぜひご活用ください。





