中国の取引先から「領収書を送ってほしい」と言われたとき、中国語でどう書けばよいか迷う方に向けて、項目名の対訳と実務で使えるフレーズをまとめました。
中国語の共通項目(対訳表の基本、通貨表記)は → 中国語の見積書の書き方
増値税・公章・交渉スタイルは → 中国向けビジネス慣習ガイド
收据と发票の違い — まず理解すべきこと
中国語で「領収書」にあたる言葉は複数あり、それぞれ役割が大きく異なります。
| 中国語 | ピンイン | 意味 | 性格 |
|---|---|---|---|
| 收据 | shōu jù | 領収書・受領証 | 代金受領の確認書類。日本の領収書に近い |
| 发票 | fā piào | 発票(総称) | 中国の税務当局が管理する証憑の総称。日本の領収書とは全く異なる |
发票はさらに以下のように分かれます:
| 中国語 | ピンイン | 用途 |
|---|---|---|
| 增值税专用发票 | zēng zhí shuì zhuān yòng fā piào | BtoB取引。買い手側の仕入税額控除に使用 |
| 增值税普通发票 | zēng zhí shuì pǔ tōng fā piào | 一般取引向け。仕入税額控除には使えない |
| 增值税电子普通发票 | zēng zhí shuì diàn zǐ pǔ tōng fā piào | 普通発票の電子版 |
重要な違い
| 收据(領収書) | 发票(発票) | |
|---|---|---|
| 性格 | 代金受領の確認 | 税務当局が管理する公式書類 |
| 発行方法 | 紙 or PDF、自社で作成 | 中国の金税系統(税務システム)を通じて発行 |
| 発行できる人 | 誰でも | 中国国内の登録事業者のみ |
| 経費認定 | 限定的 | 企業の経費認定・仕入税額控除に必須 |
日本企業が中国の取引先に発行する場合は、收据(領収書)で問題ありません。 发票は中国国内の事業者が中国の税務システムを通じて発行するものであり、日本企業が発行することはできません。
領収書の項目 — 日中対訳表
書類ヘッダー
| 日本語 | 中国語 | ピンイン | 備考 |
|---|---|---|---|
| 領収書 | 收据 | shōu jù | 書類タイトル |
| 領収書番号 | 收据编号 | shōu jù biān hào | |
| 発行日 | 开具日期 | kāi jù rì qī | |
| 発行者(受領者) | 收款方 | shōu kuǎn fāng | 代金を受け取った側 |
| 宛先(支払者) | 付款方 | fù kuǎn fāng | 代金を支払った側 |
金額
| 日本語 | 中国語 | ピンイン |
|---|---|---|
| 受領金額 | 收款金额 | shōu kuǎn jīn é |
| 税抜金額(供給価額) | 不含税金额 | bù hán shuì jīn é |
| 税額 | 税额 | shuì é |
| 合計金額 | 合计金额 | hé jì jīn é |
| 大写金额(漢数字) | 大写金额 | dà xiě jīn é |
その他
| 日本語 | 中国語 | ピンイン |
|---|---|---|
| 但し書き | 事由 | shì yóu |
| 支払方法 | 付款方式 | fù kuǎn fāng shì |
| 現金 | 现金 | xiàn jīn |
| 銀行振込 | 银行转账 | yín háng zhuǎn zhàng |
| 備考 | 备注 | bèi zhù |
領収書で使えるフレーズ
受領の確認
兹收到贵方支付的款项,金额如下。
(貴社よりお支払いいただいた金額を下記のとおり受領いたしました。)
但し書き
事由:网站制作费
(但し書き:Webサイト制作費)事由:咨询服务费
(但し書き:コンサルティングサービス料)
入金確認と領収書発行
已确认收到汇款,现开具收据。
(送金の受領を確認いたしましたので、領収書を発行いたします。)
中国の領収書の特徴
大写金额(漢数字での金額記載)
中国のビジネス文書では、金額を 大写(漢数字) でも記載する慣習があります。これは改ざん防止のためです。
| アラビア数字 | 大写(漢数字) |
|---|---|
| 0 | 零 |
| 1 | 壹 |
| 2 | 贰 |
| 3 | 叁 |
| 4 | 肆 |
| 5 | 伍 |
| 6 | 陆 |
| 7 | 柒 |
| 8 | 捌 |
| 9 | 玖 |
| 10 | 拾 |
| 100 | 佰 |
| 1,000 | 仟 |
| 10,000 | 万 |
| 元 | 元 |
| 角(0.1元) | 角 |
| 分(0.01元) | 分 |
記載例: 59,000元 → 人民币伍万玖仟元整(「整」は端数なしの意味)
日本から発行する收据では大写金额は必須ではありませんが、記載すると丁寧な印象を与えます。
公章と领收
中国では收据に 公章(会社印) を押すことで正式性が増します。日本からの领収書に会社印を押す義務はありませんが、あると信頼性が高まります。
收据と发票の実務上の使い分け
中国の取引先が「发票を出してくれ」と言ってきた場合、日本企業は发票を発行できないため、「收据(または Invoice)であれば発行できます」と説明する必要があります。輸入貨物の場合、中国側の仕入VAT控除は海関発行の税証憑(海关进口增值税专用缴款书等)で処理するのが通常です。ただし、役務提供など取引形態によって処理が異なる場合があるため、詳細は中国側の税務担当に確認してください。
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